『薬屋のひとりごと』の漫画で「どっちが人気?」と問われたら、公表された累計部数と受賞実績で勝るのはねこクラゲ版(ビッグガンガン版)、原作の先まで読める刊行スピードで勝るのは倉田三ノ路版(サンデーGX版)です。
どちらも日向夏さんの小説を原作とした公式コミカライズで、「下手な方」という優劣ではなく、作画の方向性が違うだけ。この記事では2つの作画を徹底比較し、あなたに合う一冊を選べるよう整理します。
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【結論】薬屋のひとりごと 漫画はどっちが人気?まず比較表で把握
最初に結論から整理します。
『薬屋のひとりごと』の漫画は2種類あり、どちらも日向夏さんの原作小説をもとにした正規コミカライズです。「人気」をどの軸で見るかで答えが変わります。
- 公表された累計部数・受賞実績で見るなら → ねこクラゲ版(ビッグガンガン版)
- 原作の先まで読める進行度で見るなら → 倉田三ノ路版(サンデーGX版)
2つの違いを一覧でまとめました。
| 比較項目 | ねこクラゲ版 | 倉田三ノ路版 |
|---|---|---|
| 正式タイトル | 薬屋のひとりごと | 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ |
| 出版社 | スクウェア・エニックス | 小学館 |
| 掲載誌 | 月刊ビッグガンガン | 月刊サンデーGX |
| 連載開始 | 2017年8月 | 2017年9月 |
| 作画 | ねこクラゲ | 倉田三ノ路 |
| 構成 | 七緒一綺 | ― |
| キャラ原案 | しのとうこ | しのとうこ |
| 作風の傾向 | 表情豊か・華やか・ラブコメ寄り | シンプル・原作寄り・ミステリー寄り |
どちらも猫猫(マオマオ)を主人公に原作本編を描いており、「偽物」や「旧版・新版」という関係ではありません。両版はほぼ同時期(2017年夏〜秋)に連載を開始した、いわば「双子のコミカライズ」です。
つまり「どっちが人気か」は優劣ではなく、何を基準にするかで結論が変わるというのが実情です。
薬屋のひとりごと 漫画はどっちが人気?部数と受賞で比較
人気を数字で測るなら、公表された累計部数と受賞歴が手がかりになります。
ただし、ここで一つ大切な前提を共有させてください。各巻のオビや出版社の告知で発表される部数は、発表された時点が版ごとにずれているため、そのまま横並びにはできません。発表時点を添えて見るのが正確です。
公表されている数字を見ると、ねこクラゲ版は累計1,600万部突破(2024年3月時点の告知)と伝えられています。
一方の倉田三ノ路版は累計850万部突破(2023年6月時点の告知)とされています。
この2つの数字だけを見ると、ねこクラゲ版が大きくリードしているように見えます。
さらにねこクラゲ版は「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門で第1位を受賞しており、2023年のTVアニメ放送より前から漫画として広く支持を集めていた実績があります。
筆者としては、「初速で勢いよく伸びたのがねこクラゲ版」という理解がしっくりきます。 受賞による話題性が、序盤の圧倒的な部数差につながったのでしょう。

「売れている=人気」は“いつの数字か”に注意
ただし、ここには落とし穴があります。
上の2つの数字は発表時点が1年近くずれており、同じ条件での比較ではありません。片方が1年前、片方がさらに前の数字なら、その差には「時間の経過」も混ざっています。
実際、電子書籍サイトebookjapanが公表した2024年の年間ランキング(総合売上)では倉田三ノ路版が10位、女性マンガ部門では1位を獲得した一方、ねこクラゲ版は総合50位以内には見当たらなかったと報告されています。
つまり、累計の総量ではねこクラゲ版が上でも、直近で勢いよく売れているのは刊行の早い倉田三ノ路版という見方も成り立ちます。
個人的には、「累計部数=過去の積み重ね」「直近ランキング=今の勢い」と、別々のものさしとして分けて捉えるのが正確だと考えます。どちらか一方だけを見て「こっちが人気」と断じると、実像を見誤ります。
「シリーズ累計5,700万部」は漫画1種類の数字ではない
人気の話で混同しやすいのが、よく目にする「シリーズ累計」の数字です。
2026年前半に告知された全世界シリーズ累計の大きな数字(電子版・海外翻訳版を含む総数とされます)は、原作小説とコミックス2作品、さらに派生作品までを合算した総計です。
これを「ねこクラゲ版だけの部数」「倉田三ノ路版だけの部数」として扱うことはできません。
人気を比較するときは、その数字が「どの範囲を合計したものか」を確認するクセをつけると、惑わされずに済みます。なお部数やランキングは今後も更新されるため、最新の数値は各出版社・電子書籍サイトの公式発表でご確認ください。
薬屋のひとりごと 2つの作画を徹底比較|絵柄とキャラ表現の違い
「人気」の正体の多くは、実は作画の好みです。ここが選ぶうえで最も大きな分かれ道になります。
ねこクラゲ版は、やわらかく繊細な線で、キャラクターの表情が豊かに描かれるのが特徴です。
主人公の猫猫は少女らしい可愛らしさがあり、壬氏(ジンシ)や妃たちは色気があって華やか。後宮のきらびやかさが絵から伝わってきます。
一方、倉田三ノ路版はシンプルで大人っぽい絵柄。猫猫は飄々とした落ち着いた雰囲気で、原作小説のイメージに近いと感じる読者が多いようです。
| 要素 | ねこクラゲ版 | 倉田三ノ路版 |
|---|---|---|
| 猫猫の印象 | 可愛く幼め、表情豊か | 大人っぽくクール |
| 壬氏の印象 | 色気があり華やか | 中性的な美しさ |
| 背景・衣装 | 細密で華やか | シンプルでキャラが映える |
| 全体の空気感 | 感情豊かでドラマチック | 淡々として落ち着いた筋道 |
ここで注意したいのは、「どちらが下手」という話ではないこと。 どちらも画力は高く、方向性が違うだけです。「下手な方」を探して検索した方も、実際に読めば優劣ではなく好みの問題だと実感するはずです。
筆者が両版を手に取って感じたのは、同じ「後宮の空気」でも温度がまるで違うということです。ねこクラゲ版はページをめくるたびに猫猫の表情がくるくる変わり、読んでいて心が動かされます。倉田三ノ路版は余白が多く、視線が自然とセリフと謎解きに集中していく——そんな読み心地の差がありました。
薬屋のひとりごと 漫画のストーリー表現と謎解きの見せ方の違い
原作が同じなので、大筋のストーリーは共通しています。ただし「どこを強調するか」で印象は大きく変わります。
ねこクラゲ版はラブコメ・ギャグ要素を印象的に見せる傾向があり、猫猫と壬氏の掛け合いが楽しめます。
倉田三ノ路版は事件の条件や背景を順序立てて描き、ミステリーとして筋道を追いやすい構成です。
具体的な違いもあります。たとえば1巻で猫猫が媚薬としてチョコレートを作るエピソード。ある読者の比較によると、ねこクラゲ版が約4ページ費やしたのに対し、倉田三ノ路版は1ページ半ほどでまとめていたといいます。
猫猫が壬氏にパンを渡す場面の解釈も分かれます。ねこクラゲ版では首にキスをするような表現、倉田三ノ路版では首の後ろに指をあてる表現、というように演出が異なります。

筆者としては、この「同じ場面の見せ方の差」こそ2作品を比べる醍醐味だと考えます。 片方で分かりにくかった部分が、もう片方では理解しやすく描かれていることも多く、構成力は甲乙つけがたいのが正直なところです。
なお、少女漫画(ねこクラゲ版)・青年漫画(倉田三ノ路版)というジャンル分けがありますが、実際は表情や暴力描写がリアルなねこクラゲ版のほうが青年漫画的という声もあり、分類は掲載誌と絵柄の雰囲気で決められた印象です。
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どっちが先まで進んでる?進行度で人気を分けるポイント
「今まさに続きが読みたい」という人気の軸では、進行度が決め手になります。結論から言えば、先まで読めるのは倉田三ノ路版です。
まず最新巻と原作のどこまで進んだかを、1つの表に固定して整理します。巻数だけを比べると「5巻差=原作5巻分の差」と誤解しがちですが、1冊あたりの収録量が違うため、原作小説のどこまで進んだかで見るのが正確です。
| 版 | 最新巻 | おおよその原作到達点 |
|---|---|---|
| ねこクラゲ版 | 17巻 | 原作4巻クライマックス(子の一族の反乱・砦編の決着) |
| 倉田三ノ路版 | 22巻 | 原作5巻相当の内容(蝗害への備え)を21巻で収録し、さらにその先へ |
ポイントを言葉でも押さえておきます。
- 倉田三ノ路版は22巻まで既刊で、原作5巻相当にあたるのが21巻。22巻ではさらにその先の事件へ進んでいます。
- ねこクラゲ版の17巻は、原作4巻の砦編の決着あたり。倉田版21巻よりも手前にいる計算です。
電子書籍サイトのレビューでも「最初はねこクラゲ版を読んでいたが、刊行が待ちきれず倉田三ノ路版に乗り換えた」という趣旨の声が目立ちます。この乗り換え需要が、直近の人気を押し上げている一因と考えられます。
なぜ刊行ペースに差がつくのか
ここは筆者が一歩踏み込んで考えたい点です。
同じ原作でも刊行ペースに差が出る背景には、単行本1冊あたりの構成方針の違いがあると筆者は見ています。ねこクラゲ版は七緒一綺さんの構成のもと、1エピソードをたっぷりページを割いて丁寧に膨らませます。先ほどのチョコ媚薬エピソードで約4ページ対1ページ半という差が出たのが象徴的です。
1話で進む「原作の分量」が多い作りにすれば、同じ冊数でも物語は先へ進みます。倉田三ノ路版が巻数で先行しているのは、単に発売が早いだけでなく、1冊に原作をより多く収める設計だから——という理解が、筆者にはしっくりきます。
アニメの続きを漫画で読むなら
TVアニメは、第2期で子の一族の事件まで描かれました。
ねこクラゲ版17巻はこのアニメ2期終盤と大きく重なります。アニメの続きをすぐ漫画で読みたいなら、倉田三ノ路版の21巻以降が分かりやすい目安です。
さらに先を読みたい場合は、原作小説5巻へ進むのが最も確実です。
アニメの原作漫画はどっち?人気との関係
「アニメが人気だから、その原作漫画が一番人気なのでは?」と考える方もいるでしょう。ここは誤解しやすいポイントです。
アニメの公式クレジット上の原作は、2種類の漫画ではなく、日向夏さんの小説(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)です。
アニメのキャラクターデザインは中谷友紀子さんが担当し、2つの漫画とはまた違った絵柄になっています。
ですから「アニメはビッグガンガン版が原作」「アニメに近いのはこっち」という断定は正確ではありません。小説をもとに、2種類の漫画とアニメがそれぞれ展開されている、と理解するのが正しいです。
アニメから漫画へ移るなら、「絵がアニメに似ているか」より「原作のどこまで進んでいるか」で選ぶほうが失敗しにくいでしょう。
【考察】どっちが人気かより「どっちが自分に刺さるか」
ここからは、幅広いジャンルの漫画を追ってきた筆者としての私見です。
「薬屋のひとりごと 漫画 どっちが人気」という検索の裏には、たいてい「ハズレを引きたくない」という不安があると感じます。
しかし今回調べて改めて思うのは、この2作品に関しては「人気ランキングで下位の方=ハズレ」という図式が当てはまらないということです。
部数で勝るねこクラゲ版も、直近の勢いで伸びる倉田三ノ路版も、支持する読者層が明確に分かれています。片方が「下手」なのではなく、求める体験が違うだけなのです。
実はこうした「同一原作で複数コミカライズが併存し、後発や別版が伸びる」構図は、薬屋に限った話ではありません。古くは『鋼の錬金術師』が漫画とアニメで異なる結末をたどったように、同じ原作が媒体ごとに別の表情を見せて、それぞれにファンがつく——というのはエンタメの世界ではしばしば起こります。薬屋の2コミカライズも、その「複数の入口が共存する」豊かさの一例だと筆者は捉えています。
個人的には、選び方はシンプルだと考えます。アニメの猫猫の表情や壬氏との掛け合いに惹かれたならねこクラゲ版、事件の謎解きを追う快感や、とにかく先の展開を早く知りたいなら倉田三ノ路版。この基準で選べば、まず後悔しないはずです。
今後の見通しとしては、前述の「1冊あたりの構成方針の違い」がある以上、刊行ペースの差がすぐ縮まる気配はなく、「先まで読める倉田三ノ路版」への乗り換え需要は当面続くと見ています。一方で、二次創作やキャラ人気の面では、表情が豊かなねこクラゲ版の華やかな絵柄が根強く支持され続けるでしょう。
両方を読み比べると、同じ名場面を別の演出で二度味わえます。1作品に絞る前に、公式の第1話を両方読んで、続きが気になった方を選ぶ——これが一番確実で、楽しい選び方だと筆者は考えます。なお価格やキャンペーン、試し読みの範囲は変動するため、最新は各出版社・電子書籍サイトの公式でご確認ください。
よくある質問
薬屋のひとりごとの漫画はどっちが人気ですか?
公表された累計部数(1,600万部/2024年3月時点)と「次にくるマンガ大賞2019」1位の実績ではねこクラゲ版が優勢です。一方、2024年のebookjapan年間ランキングや刊行の早さでは倉田三ノ路版が勢いを見せており、基準によって結論が変わります。
どっちかが下手ということはありますか?
ありません。どちらも画力は高く、ねこクラゲ版は表情豊かで華やか、倉田三ノ路版はシンプルで原作に近い、という作風の違いです。優劣ではなく好みで選ぶのがおすすめです。
先まで読めるのはどっちですか?
倉田三ノ路版です。22巻まで既刊で、原作小説5巻に相当する内容は21巻にあたります。ねこクラゲ版(17巻)は原作4巻クライマックス付近なので、アニメの続きを漫画で読むなら倉田三ノ路版21巻以降が目安になります。
まとめ|人気の軸を決めれば迷わない
『薬屋のひとりごと』の漫画は2種類とも公式で、「人気」は見る軸で答えが変わります。
- 累計部数・受賞実績 → ねこクラゲ版(ビッグガンガン版)
- 直近の勢い・原作の進行度 → 倉田三ノ路版(サンデーGX版)
- 作画は優劣ではなく「華やか×表情」か「シンプル×原作寄り」かの好み
どっちが人気かにとらわれず、絵柄・謎解き・進行度の3軸で、あなたが続きを読みたくなる一冊を選んでください。数字は発表時点で変わるものなので、気になったら最新の公式情報も合わせて確認すると安心です。
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全巻まとめ買いはもちろん、「まず数巻だけ読みたい」という使い方もしやすいのがポイント。
気になる作品を探している時間も、漫画好きにはちょっと楽しいものです。
購入はあとで決められるので、まずは欲しかった作品がいくらでそろうか確認してみてください。

