PR

ねこクラゲ版(サンデーGX・サンデーうぇぶり)薬屋のひとりごとの魅力とは

古代中国風の後宮を背景に、薬草を手にした聡明な薬師の少女が静かに佇むミステリアスなシーン 薬屋のひとりごと

「薬屋のひとりごと」の漫画は2種類あり、「サンデーうぇぶり」で読めるのは倉田三ノ路版、“ねこクラゲ版”はスクウェア・エニックスのビッグガンガン版です。この2つは作画も作風も別物で、検索でよく混同されます。

はじめまして、アニメ・漫画考察ライターの高橋凛です。この記事では「薬屋のひとりごと サンデー」「サンデーうぇぶり」「猫クラゲ」といったキーワードで迷っている方に向けて、どちらが何なのか、そして“あなたはどっちを読むべきか”を結論から整理します。

先に答えを言います。「ねこクラゲ」という名前で探している方の多くは、実はビッグガンガン版(スクウェア・エニックス)を指しています。そして「サンデーうぇぶり」で連載を追えるのは倉田三ノ路版。この1点さえ押さえれば、作品選びの迷いはほぼ解消します。

サンデーうぇぶり版「薬屋のひとりごと」とは?基本情報を整理

まず土台となる基本情報から確認しましょう。

「薬屋のひとりごと」は、日向夏さんによる人気ライトノベルが原作です。2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まり、その後ヒーロー文庫(主婦の友社)から書籍化されました。

舞台は古代中国を思わせる架空の帝国。薬師の少女・猫猫(マオマオ)が人さらいに遭い、後宮の下女として売られるところから物語は動き出します。

目立たず過ごすはずだった猫猫が、皇子の衰弱事件に薬学知識で切り込み、美貌の宦官・壬氏(ジンシ)に見いだされる——。この導入は、2つの漫画版に共通する骨格です。

そのうえで整理すると、「サンデーうぇぶり」とは小学館の漫画配信サービスの名称であり、そこで連載・配信されているのが「月刊サンデーGX」の倉田三ノ路版です。

サンデーうぇぶりでは、話数ごとに最新話が公開・更新されていく形がとられています。「西都」編といった新章のエピソードが順次公開され、単行本も刊行が続くなど、物語は着実に先へ進んでいます(最新の話数・巻数は変動するため、公式サイトでの確認をおすすめします)。

つまり「サンデーうぇぶりで薬屋を追いたい」という方が触れるのは、ねこクラゲさんの絵ではなく倉田三ノ路さんの絵。ここが最初の重要ポイントだと私は考えています。


「薬屋のひとりごと 猫クラゲ」は誤解?ねこクラゲ版の正体とは

ここが多くの読者がつまずく核心です。

結論から言えば、「ねこクラゲ(猫クラゲ)版」は“サンデー系ではない”というのが正確な事実です。

ねこクラゲさんが作画を担当しているのは、スクウェア・エニックス「月刊ビッグガンガン」で2017年6月号から連載が始まったバージョン。構成を七緒一綺さんが務めています。

一方、「月刊サンデーGX」=サンデーうぇぶりで読めるのは倉田三ノ路さんの作画。コミカライズは2017年に2誌同時でスタートし、以来“2つの別作品”として並走してきました。

では、なぜ「薬屋のひとりごと 猫クラゲ」と「サンデー」が一緒に検索されるのでしょうか。

私の見立てでは、原作が1つなのに漫画が2種類あること、そして配信プラットフォーム(サンデーうぇぶり)と作画家(ねこクラゲ)が頭の中でごちゃ混ぜになりやすいことが原因です。名前だけが独り歩きし、「有名な絵=ねこクラゲ=どこでも読める」という思い込みが生まれているのだと感じます。

覚え方はシンプルです。

  • サンデーうぇぶり(サンデーGX)=倉田三ノ路/小学館
  • ねこクラゲ版(ビッグガンガン)=ねこクラゲ・構成:七緒一綺/スクウェア・エニックス

この対応だけ頭に入れておけば、電子書店で「どっちを買うんだっけ」と迷うことはなくなります。

※画像はAIによるイメージ

サンデーGX版(倉田三ノ路)の魅力とは?ミステリー重視の作風

では、サンデーうぇぶりで読める倉田三ノ路版には、どんな魅力があるのでしょうか。

最大の特長は、原作小説に忠実で、ミステリー・推理の要素に重点を置いている点です。

事件の説明も丁寧で、小説だけでは少しわかりにくい部分を、絵でかみ砕いて補完してくれます。

作画は全体的に落ち着いたトーン。大人でも読みやすい、シックな仕上がりです。

猫猫の描かれ方も特徴的で、冷静で理知的なキャラクターとして表現されます。壬氏に対してもクールでドライな対応が多く、感情より理性が前に出る——誇張を抑えた“少年マンガ寄り”の作風です。

そしてテンポの良さ。エピソードごとの展開がスピーディーで、必要な描写をコンパクトにまとめ、ぐんぐん読み進められます。

連載開始はビッグガンガン版の方が先でしたが、原作の“どこまでを描いているか”という進行度ではサンデーGX版の方が先を走っている時期が続いています。ここは版ごとの刊行ペースで変わり得る点ですが、「早く続きが知りたい」という方にとっては見逃せない価値だと私は考えます。

まるで推理小説を読むような緊張感がありながら、キャラ同士の軽妙な掛け合いも効いている。シリアスとコミカルのバランスの妙——ここにサンデーGX版の真骨頂があると感じます。


ねこクラゲ版(ビッグガンガン版)の魅力と売上を比較

比較のために、“ねこクラゲ版”の魅力にも触れておきましょう。検索でここを求めてくる方が多いからです。

ねこクラゲ版の代名詞は、華やかで美しい作画です。

「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門で第1位を受賞した人気作で、キャラクターの表情、背景、衣装、装飾品にいたるまで細やかに描き込まれています。

ストーリー展開はゆるやかですが、そのぶんキャラクターの心情変化を丁寧に掘り下げ、人間関係の濃密さがしっかり映し出されます。猫猫の表情は豊かでかわいらしく、壬氏の美貌やナルシストな一面も強調される、少女マンガ寄りのタッチです。

気になる作風と規模の違いを、下表にまとめます。

項目サンデーGX版(倉田三ノ路)ビッグガンガン版(ねこクラゲ)
掲載・配信月刊サンデーGX/サンデーうぇぶり月刊ビッグガンガン
作画倉田三ノ路ねこクラゲ(構成:七緒一綺)
連載開始2017年2017年6月号
作風ミステリー重視・少年マンガ寄り恋愛・心情重視・少女マンガ寄り
テンポ速い(原作進行が先行する時期が多い)ゆるやか・じっくり

発行部数については、両版ともシリーズを代表する人気作であることは間違いありませんが、具体的な累計部数は公式発表のタイミングによって変わります。一般には“ねこクラゲ版の方が部数規模は大きい”と紹介されることが多いものの、断定を避け、最新の数字は出版社の公式発表でご確認いただくのが確実です。

数字が示すのは「どちらが上か」ではなく、“作風の違う2作が、それぞれにファンを獲得している”という事実だと私は受け止めています。


ねこクラゲ(池田恵理香)とはどんな漫画家?報じられた脱税の経緯

“ねこクラゲ”という名前で検索する読者のために、作家像にも簡潔に触れておきます。

ねこクラゲさんは、主にスクウェア・エニックス系で活動してきた漫画家で、本名は池田恵理香さんと報じられています。

避けては通れないのが、所得税法違反に問われた裁判の報道です。公人的な関心を集めた事実であるため、報道の範囲で経緯だけを整理します。

報道によると、池田さんは2019年から2021年にかけての所得について期限までに確定申告せず、所得税を脱税したとされました。福岡地裁は2024年7月24日、懲役10か月・執行猶予3年、罰金を科す判決を言い渡したと報じられています。

判決は「数年にわたる多額の脱税で悪質」と指摘する一方、その経緯を「事務作業が極めて不得手で金銭への関心が薄く、急激に人気漫画家となり、確定申告の重要性を軽く見て、事務作業から逃げ続けた結果」と評したと伝えられています。2022年からは納税しているなどとして「再度脱税に及ぶ可能性は低い」とも述べたとされます。

本人も2024年9月9日に自身のX(旧Twitter)で謝罪し、再発防止を誓う趣旨を表明。現在は税理士の支援を受けているとしています。発行元のスクウェア・エニックスは、連載中止は考えていないとコメントしたと報じられました。

これはあくまで作家個人をめぐる出来事であり、作品そのものの価値とは切り分けて考えるべきだ、というのが筆者としての受け止めです。

事実は事実として知ったうえで、作品は作品として楽しむ——その姿勢が読者にとっても健全だと考えます。

※画像はAIによるイメージ

サンデーうぇぶりで読むメリットと、アニメ・原作の現在地

実用面も押さえておきましょう。

サンデーうぇぶりで倉田三ノ路版を追う最大のメリットは、“原作の理解が深まること”と“展開が速いこと”の両立です。

原作小説で少しわかりづらかった部分も、サンデーGX版は補足してくれるため、物語の流れがつかみやすくなります。小説を先に読んでいる方には特におすすめできる作りです。

物語は「西都」編などの新章へと進み、猫猫たちの旅はさらに広がりを見せています。

アニメ版も複数期にわたって制作が続いており、原作・漫画・アニメが同時に盛り上がる稀有なタイミングにあります(最新の放送・配信情報は公式サイトでの確認をおすすめします)。

アニメのキャラクター原案は、原作小説の表紙・挿絵を手がけるしのとうこさんが担当しています。どちらか一方の漫画版を直接の下敷きにしたものではなく、小説イラストをもとにしたアニメ独自のビジュアルです。ただ「雰囲気はビッグガンガン版に近い」と感じる人も多いようです。

ここから言えるのは、“入口”で選ぶのが賢いということ。

アニメから入った方は雰囲気の近いねこクラゲ版、推理をテンポよく追いたい方や小説既読の方はサンデーうぇぶりの倉田三ノ路版——この住み分けが、もっとも失敗の少ない選び方だと考えます。


考察:なぜ“2つの薬屋”はどちらも埋もれないのか

ここからは筆者としての私見です。

個人的に、この作品の最大の面白さは「同じ原作から、まったく性格の違う2つの名作が生まれた」という構造そのものにあると考えています。

多くのメディアミックスでは、複数のコミカライズが並走すると、一方が埋もれてしまいがちです。

たとえば、人気作のコミカライズが複数存在しても、最終的に一つの“公式版”として記憶され、もう一方は語られる機会が減っていく——そうした例は珍しくありません。読者の関心は一点に集まりやすく、二番手は「あったこと自体を知られない」まま静かに終わることも多いのです。

ところが薬屋は、サンデーGX版・ビッグガンガン版のどちらもが確かな読者を抱え続けている。これは極めて珍しい現象です。

なぜそれが可能なのか。筆者としては、原作が持つ“二面性”に理由があると見ています。

薬屋には「ミステリー・推理」という知的な軸と、「猫猫と壬氏のもどかしい関係」という情緒の軸が同居しています。倉田三ノ路版は前者を、ねこクラゲ版は後者を、それぞれ最大化した。

だからこそ、同じ物語なのに読後感がまるで違い、両方を読んでも“焼き直し”にならないのです。

これは読者にとって、実は贅沢な話です。一粒で二度おいしい、どころか、二つの別々のご馳走が用意されているようなもの。

片方を読んで気に入ったら、もう片方で「同じ事件が別の演出でどう描かれるか」を味わう——こんな楽しみ方ができる作品は、そう多くありません。

今後の見通しとして、原作とアニメの人気が続く限り、2つの漫画版はともに伸び続けると筆者は考えています。作家をめぐる報道はあったものの、作品の連載は継続しており、物語の勢いが途切れる気配はありません。

強いて注意点を挙げるなら、電子書店で購入する際の“取り違え”です。表紙の絵柄だけで判断せず、作画家名の表記を確認してから買う——それだけで後悔は防げます。


まとめ:サンデーうぇぶり版とねこクラゲ版、どっちを読む?

最後に全体を振り返ります。

「薬屋のひとりごと」の漫画は2種類。サンデーうぇぶりで読めるのは倉田三ノ路版で、ミステリー重視・テンポ速め。一方“ねこクラゲ版”はビッグガンガン版で、華やかな作画と丁寧な心情描写が魅力です。

「猫クラゲ」と「サンデー」はしばしば混同されますが、両者は別物。この違いさえ押さえれば、あなたの「読みたい薬屋」にまっすぐたどり着けます。

推理をキビキビ楽しみたいならサンデーうぇぶり、世界観とキャラの機微に浸りたいならねこクラゲ版。どちらも後宮ミステリーの名作であることに変わりはありません。


よくある質問

サンデーうぇぶりで読める「薬屋のひとりごと」はねこクラゲ版ですか?

いいえ。サンデーうぇぶり(小学館)で読めるのは倉田三ノ路さんが作画を担当する「月刊サンデーGX」版です。ねこクラゲさんはスクウェア・エニックス「月刊ビッグガンガン」版の作画担当で、別の作品になります。

「薬屋のひとりごと 猫クラゲ」で検索しても出てくるのはなぜですか?

原作が1つなのに漫画が2種類あり、配信サービス名(サンデーうぇぶり)と人気作画家(ねこクラゲ)が混同されやすいためです。ねこクラゲ版はビッグガンガン版、サンデーうぇぶりは倉田三ノ路版、と覚えておくと迷いません。

サンデーGX版とねこクラゲ版、どちらを先に読むべきですか?

好みで選ぶのが確実です。アニメから入って雰囲気を重視するならねこクラゲ版、推理をテンポよく追いたい方や小説既読の方はサンデーうぇぶりの倉田三ノ路版が向いています。両方読んで“同じ事件の描かれ方の違い”を楽しむのもおすすめです。

高橋 凛

タイトルとURLをコピーしました