「薬屋のひとりごと」の掲載誌は、ひとつではありません。
結論から言うと、原作小説は小説投稿サイト「小説家になろう」発の文庫シリーズで、コミカライズは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)と『月刊サンデーGX』(小学館)という2つの雑誌で“同時に別々”に連載されています。
この記事では、薬屋のひとりごとの掲載誌・連載雑誌がどこなのかを、出版社・作画担当・巻数まで一覧表で整理し、2つの漫画版の「決定的な違い」まで踏み込んでお伝えします。
なお、本記事に登場する巻数・部数・発売時期などの数字は、いずれも2026年10月時点で確認できた情報をもとにしています。これらは刊行のたびに更新されますので、最新の正確な数字は各出版社の公式サイトでご確認ください。
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薬屋のひとりごとの掲載誌はどこ?まずは一覧表で結論
最初に、どこで何が連載されているのかを一覧表にまとめます。
「薬屋のひとりごと」は、ひとつの原作から複数のメディアへ広がった作品です。そのため「掲載誌」を調べると答えが複数出てくるのですが、整理すると次のようになります。
| 媒体 | 掲載先 | 出版社 | 作画・担当 | レーベル | 巻数(2026年10月時点) |
|---|---|---|---|---|---|
| 原作小説 | 小説家になろう→文庫化 | 主婦の友社→イマジカインフォス | 日向夏(著)/しのとうこ(絵) | ヒーロー文庫 | 既刊16巻 |
| 漫画① | 月刊ビッグガンガン | スクウェア・エニックス | ねこクラゲ(画)/七緒一綺(構成)/しのとうこ(原案) | ビッグガンガンコミックス | 既刊17巻 |
| 漫画② | 月刊サンデーGX | 小学館 | 倉田三ノ路(画) | サンデーGXコミックス | 既刊22巻 |
| スピンオフ漫画 | マンガUP! | スクウェア・エニックス | 七緒一綺(画・構成) | ― | 連載中 |
※漫画②のタイトルは本編と異なり『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』です。巻数は刊行ごとに増えるため、最新は公式でご確認ください。
つまり、薬屋のひとりごとの雑誌掲載を一言でいえば「小説家になろう発」「ビッグガンガン」「サンデーGX」「マンガUP!」の4つの“場所”で展開されている、というのが正確な答えです。
ここで注目したいのは、同じ原作の漫画が別の出版社の雑誌で“2本同時”に走っているという珍しさです。これはコミカライズ作品としてはかなり異例で、人気の大きさを物語っているとも言えます。
原作小説の掲載はどこ?「小説家になろう」とヒーロー文庫
原作小説の出発点は、小説投稿サイト「小説家になろう」です。
作者は日向夏(ひなた なつ)さん。2011年10月に「小説家になろう」で連載が始まり、人気を得たことで書籍化へとつながりました。
まず2012年に、主婦の友社の「RayBooks(Ray Books)」から、第1部にあたる「後宮編」のみを収録した単行本(ソフトカバー版)が発売されています。
その後、同じく主婦の友社のライトノベルレーベル「ヒーロー文庫」で2014年8月に大幅改稿した新装版(文庫版)が刊行され、以降はこちらが本編として継続して発行されています。
文庫版のイラストはしのとうこさんが手がけており、刊行は2026年10月時点で既刊16巻まで進んでいます。出版社については、文庫版が主婦の友社からイマジカインフォスへと移行している点も押さえておきたいところです。
ここで一言、筆者としての見方を添えておくと、「掲載誌はどこ?」と検索する方がつまずきやすいのが、この“原作は雑誌ではなくWeb小説発”という点だと感じます。
新聞や雑誌のような紙の連載媒体を探しても見つからないのは、出発点が「小説家になろう」だからなのです。

漫画①『月刊ビッグガンガン』版(スクウェア・エニックス)
1つめのコミカライズの掲載誌は、スクウェア・エニックスの『月刊ビッグガンガン』です。
こちらは作画をねこクラゲさん、構成を七緒一綺(ななお いっき)さん、キャラクター原案をしのとうこさんが担当しています。
連載が始まったのは2017年で、2017年6月号(発売は2017年5月25日)からスタートしました。レーベルは「ビッグガンガンコミックス」で、単行本は2026年10月時点で既刊17巻前後まで刊行されています。
このビッグガンガン版は、「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門第1位を獲得したことで一気に知名度を伸ばしました。作品全体の認知が広がる大きなきっかけになった版だと言ってよいでしょう。
作風としては、キャラクターの表情が豊かで、明るめのトーンと工夫されたコマ割りによる華やかな画面が特徴です。コミカルな掛け合いや猫猫(マオマオ)と壬氏(ジンシ)のもどかしい関係性がドラマチックに描かれ、全体的に少女漫画寄りの印象を受けます。
筆者としては、アニメから作品に入った読者にとって、絵柄や雰囲気の面でなじみやすいのがこのビッグガンガン版ではないかと考えています。
漫画②『月刊サンデーGX』版(小学館)
2つめのコミカライズの掲載誌は、小学館の『月刊サンデーGX』です。
タイトルは本編と少し異なり、『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』。作画は倉田三ノ路(くらた みのじ)さんが担当しています。
連載開始はビッグガンガン版より少し遅く、2017年9月号(発売は2017年8月19日)から。レーベルは「サンデーGXコミックス」で、単行本は2026年10月時点で既刊22巻前後まで刊行されています。
作風は、原作の淡々とした雰囲気を引き継いだクールで落ち着いたトーン。ラブコメ要素よりもミステリーや謎解きの要素が前面に押し出されているのが大きな特徴です。
猫猫の容姿も「整っているが特徴のない顔」という原作の説明に忠実で、壬氏に対してもしっかり冷たい態度を取る描写が目立ちます。
事件や事象の説明が丁寧で、小説を未読の読者でも物語の全体像をつかみやすい——筆者としては、そんな“読みやすさ”がサンデーGX版の強みだと感じます。

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2つの漫画版の決定的な違いは?どちらから読むべきか
ここが読者にとって一番知りたいところでしょう。筆者が両版を実際に読み比べて感じた「決定的な違い」を、具体的に整理します。
結論から言えば、「キャラクターの魅力で読ませる」ビッグガンガン版 vs 「謎解きの緊張感で読ませる」サンデーGX版、という軸で選ぶのが分かりやすいです。
- コマと余白の使い方:ビッグガンガン版は猫猫の表情がコマごとにくるくる変わり、感情の起伏で読ませます。対してサンデーGX版は余白を活かした静かな画面で、推理の“間”を描くのが上手い印象です。
- 壬氏との距離感:ビッグガンガン版は壬氏の美貌とロマンスの機微を強めに演出。サンデーGX版は猫猫の塩対応が徹底され、原作の突き放した空気感に近いです。
- 事件描写の密度:サンデーGX版は毒や薬学の説明を台詞と図で丁寧に補うため、ミステリーとしての腹落ち感が高いと感じました。
筆者としての個人的なおすすめは、アニメから入った方・キャラ萌えを楽しみたい方はビッグガンガン版から、原作の雰囲気や純粋な謎解きを味わいたい方はサンデーGX版からという入り方です。どちらも原作に忠実なので、物語の大筋がネタバレで崩れる心配は少ない、という点も安心材料だと考えています。
薬屋のひとりごとの漫画が2誌で連載される理由とは?
ここまで読むと、「どうして同じ原作の漫画が2つの雑誌で連載されているの?」という疑問が浮かぶはずです。
実は、この理由は公式からはっきりとアナウンスされていません。
原作者の日向夏さん自身も、X(旧Twitter)上で、経緯は自分にも分からず困惑していたという趣旨の発言をしていたと伝えられています。作者さえも事情を完全には把握していなかったことがうかがえます(正確なニュアンスはご本人の投稿をご確認ください)。
これはコミカライズとしてはかなり珍しいケースです。似た例として、西尾維新さんの『化物語』が複数レーベルで漫画展開された事例などはありますが、異なる出版社が別々の作画家でほぼ同時に本編を漫画化し、どちらも長期連載として成立している座組みは、やはり多くありません。
筆者の見立てとしては、結果的にこの“2誌同時連載”が、作品の裾野を大きく広げる追い風になったのではないかと考えています。
華やかでラブコメ寄りのビッグガンガン版と、ミステリー重視で原作に忠実なサンデーGX版。方向性が異なる2つの入り口があったことで、より幅広い層のファンを取り込めたと見ることができるからです。
薬屋のひとりごとのアニメ・スピンオフ・ドラマはどこで観られる?
薬屋のひとりごとは、雑誌連載の枠を越えて多方面に展開しています。
アニメは、TVアニメ1期が2023年10月から放送され、2期が2025年1月から、そして3期の第1クールが2026年10月から放送される予定と伝えられています(放送時期は変更の可能性があるため最新情報は公式でご確認ください)。
ここで押さえておきたいのは、アニメの原作は2つの漫画のどちらでもなく、小説版だという点です。
アニメと漫画の内容がほぼ同じに見えるのは、どちらの漫画も原作小説に忠実に作られているからであり、特定の漫画版のストーリーを採用しているわけではありません。
キャラクターデザインも漫画版のビジュアルではなく、小説版のイラストをベースにしています。アニメのクレジットには、キャラクター原案として小説版のしのとうこさん、キャラクターデザインとして中谷友紀子さんが名を連ねています。
スピンオフとしては、2025年3月よりマンガアプリ『マンガUP!』(スクウェア・エニックス)で『薬屋のひとりごと外伝 小蘭回想録』の連載がスタートしました。ビッグガンガン版の構成を担当する七緒一綺さんが、今度は作画も含めて手がけており、猫猫の友人・小蘭の視点から描かれる作品です。
さらに実写ドラマ化も進行中で、Amazon Prime Videoでの配信が予定されていると伝えられています。監督はYuki Saitoさん、脚本は吉田恵里香さんが担当するとされています。
なお、作品全体のスケールを示す数字として、シリーズの累計発行部数は2026年10月時点で全世界5700万部を突破していると発表されています。これだけの規模であれば、複数の雑誌・媒体で展開されているのも納得と言えるでしょう。
考察:掲載誌の“多さ”が意味するもの
ここからは、筆者としての見方を少し掘り下げてお伝えします。
薬屋のひとりごとの掲載誌がこれほど多岐にわたるのは、単なる偶然ではなく、作品の構造そのものと相性が良かったからだと筆者は考えています。
本作は、架空の中華風帝国を舞台に、薬師の少女・猫猫が宮中の事件を薬学の知識で解き明かしていく「薬学×ミステリー」です。
1話完結に近いエピソードを積み重ねながら、伏線が少しずつ大きな真相につながっていく——この作りは、恋愛やキャラクターの魅力を前に出す方向でも、謎解きの緊張感を前に出す方向でも、どちらでも成立します。
だからこそ、ビッグガンガン版とサンデーGX版という作風の異なる2つの漫画が、どちらも成立し得た。個人的には、この“解釈の幅の広さ”こそが、複数の掲載誌で愛される最大の理由だと感じています。
一例として、同じく大ヒットした『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』は、原作漫画という一本の幹からアニメや小説へ枝分かれしていく“垂直型”の広がり方でした。
対して薬屋のひとりごとは、原作小説という幹から、性格の異なる漫画が“横並び”で複数伸びる“水平型”の広がり方をしている——この違いこそが本作のメディアミックスの個性だと、筆者は見ています。
また、河豚や鳥兜、白粉といった、私たちの身近にある「毒」や「薬」が事件の鍵になる点も見逃せません。専門知識がなくても楽しめる間口の広さが、媒体をまたいだ読者層の拡大を後押ししていると考えられます。
今後の見通しとしては、アニメ3期やドラマ化によって新規ファンがさらに増え、2種類の漫画それぞれの巻数も伸びていくはずです。
「どの掲載誌・どの版から入るか」で作品の印象が変わるからこそ、自分の好みに合った入り口を選ぶ楽しさは、これからより大きくなっていくでしょう。
まとめ:薬屋のひとりごとの掲載誌一覧
最後に要点を整理します。
薬屋のひとりごとの原作小説は「小説家になろう」発で、文庫版はヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)から刊行されています。
漫画は2種類あり、ひとつはスクウェア・エニックスの『月刊ビッグガンガン』で連載されるねこクラゲさん作画版、もうひとつは小学館の『月刊サンデーGX』で連載される倉田三ノ路さん作画の『猫猫の後宮謎解き手帳』です。
さらにスピンオフ『小蘭回想録』はマンガアプリ『マンガUP!』で、アニメは2023年から順次放送、実写ドラマはAmazon Prime Videoでの配信が予定されています。
「掲載誌はどこ?」という問いの答えは“ひとつではない”——これこそが、薬屋のひとりごとというヒット作のスケールを示しているのだと思います。
よくある質問
薬屋のひとりごとの漫画はどの雑誌に載っていますか?
スクウェア・エニックスの『月刊ビッグガンガン』と、小学館の『月刊サンデーGX』の2誌です。同じ原作をもとに、別々の作画家が描く2種類のコミカライズが並行して連載されています。
薬屋のひとりごとの原作小説はどこで読めますか?
もともとは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載された作品で、現在は文庫版が「ヒーロー文庫」から刊行されています。出版社は主婦の友社からイマジカインフォスへと移行しています。
2種類の漫画はどちらから読むのがおすすめですか?
ビッグガンガン版(ねこクラゲさん作画)は華やかでラブコメ要素が強く、キャラクターの表情で読ませる少女漫画寄りの作風。サンデーGX版(倉田三ノ路さん作画)はクールな絵柄でミステリーと謎解きが中心です。キャラ萌え重視ならビッグガンガン版、原作の雰囲気や推理重視ならサンデーGX版から入るのがおすすめです。
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