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『薬屋のひとりごと』馬閃は結婚する?里樹妃との恋の行方をネタバレ考察

木刀を手にした真面目な表情の若い武官と、慎ましく佇む少女が静かに向き合う、宮廷風の背景 薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』の馬閃(ばせん)は、里樹妃(リーシュ)と互いに想い合い、周囲も縁談を後押ししていますが、ヒーロー文庫の小説16巻の時点ではまだ結婚していません。

ただ「両思いで、家族も動いている」のに進まない――ここにこの恋の面白さがあります。

結論から言えば、二人が結ばれる可能性は高いと筆者は見ています。ただしその前に、身分差と、何より二人それぞれの「自信」という壁を越える必要があるのです。

この記事では、馬閃がどんな人物かをおさえたうえで、里樹妃との出会いから救出、再会、そして縁談の現状までを時系列でたどり、恋の行方をネタバレありで考察します。

※ヒーロー文庫の小説5〜16巻およびWeb版の内容に触れます。漫画の刊行状況は2026年10月3日時点のものです。

薬屋のひとりごと 馬閃(ばせん)とはどんな人物?

まず前提として、馬閃は壬氏(ジンシ)の補佐兼護衛を務める若い武官です。読み方は「ばせん」。

父は壬氏の従者・高順(ガオシュン)で、馬閃はその次男にあたります。母の桃美(タオメイ)が壬氏の乳母だったため、壬氏とは乳兄弟(同じ乳母に育てられた間柄)という特別な近さがあります。

ここで一つ補足しておきましょう。壬氏は表向きこそ後宮を取り仕切る宦官ですが、その正体は現帝の弟――皇弟・華瑞月(カズイゲツ)です。つまり馬閃は、皇族に最も近い場所で主を守る立場にいます。

この「主が皇弟である」という重みは、のちの里樹妃との恋にも効いてきます。里樹は元・先帝の妃。皇族周辺の縁談となれば、本人の気持ちだけでは決められない事情が絡むからです。

血のつながった兄弟という意味ではありませんが、幼い頃から共に育った関係です。だからこそ、主人への忠誠が人一倍強く出ます。

公式では、馬の一族の次期当主で、武芸に秀で、まっすぐで真面目な性格ゆえに融通が利かない一面があり、父の高順から心配されている人物、と紹介されています。

この「まっすぐすぎて融通が利かない」ところが、後の里樹妃との恋でも、そのまま弱点として効いてくる。ここが最大の見どころだと言ってよいでしょう。

項目馬閃の情報
読み方ばせん
立場壬氏の補佐兼護衛を務める武官(宦官ではない)
家族父・高順の次男。兄に馬良、姉に麻美
壬氏との関係乳兄弟(母・桃美が壬氏の乳母)
声優橘龍丸(たちばな たつまる)

アニメでの初登場は第5話。壬氏の鍛錬相手として木刀で打ち合う場面でした。

剣技では壬氏に及びませんが、怪力と、いざというときの直感の鋭さが持ち味です。戦闘では訓練以上の力を発揮するタイプで、壬氏も厚く信頼を置いています。

筆者が興味深いと思うのは、馬閃が「最初から護衛になる予定ではなかった」という設定です。本来その役目を担うはずだったのは兄の馬良でしたが、身体が弱かったため、弟の馬閃が引き継いだとされます。

兄に代わって重責を背負った若者――そう知ると、普段の仏頂面も少し違って見えてきませんか。


馬閃と里樹妃の関係は?好意はあるが結婚はまだ

本題の「馬閃は結婚するのか」ですが、現状をひとことで言えば「好意は確か、縁談も動いている、けれど結婚はまだ」です。

ここで大事なのは、次の3つを分けて考えることです。

  • 本人同士の好意(救出や再会を通じて相手を特別に意識している)
  • 家族の働きかけ(馬閃の姉・麻美が里樹の祖父へ縁談を持ち込む)
  • 正式な婚約・結婚(これはまだ成立していない)

「両思いなら、もう結ばれてもいいのでは」と思いますよね。ところが、会えるようになった後も二人は不器用なまま。外から見た順調さと、本人たちの手応えがずれているのです。

里樹妃は、もともと後宮の上級妃だった少女です。立派な肩書を持ちながら、侍女に軽んじられ、周囲に助けを求めにくい不遇な立場にありました。

年齢に触れておくと、里樹は作中でもかなり年若い妃として描かれます。先帝の崩御にともない後宮を離れており、「妃」という肩書の重さと、実際の少女らしいあどけなさとの落差が、彼女の切なさを形づくっています。

一方の馬閃は、敵を退ける力はあっても、好きな相手を安心させる言葉には慣れていません。守れる強さと、気持ちを伝える上手さは別物なのだと、里樹との関係ははっきり見せてくれます。

※画像はAIによるイメージ

小説5・6巻で恋が動く|獅子の襲撃と塔からの救出

二人の関係が動き出すのは、ヒーロー文庫の小説・西都編です。

小説5巻では、西都の宴で獅子に襲われた里樹を、馬閃が救います。ここは馬閃の強さに目を奪われる場面です。

続く小説6巻では、里樹が恋文の疑いをかけられ、塔に閉じ込められてしまいます。疑いの発端は恋物語の書き写しをめぐるもので、後宮で味方の少ない少女が、誤解を晴らす足場まで失う展開です。

そして塔から落下した里樹を、馬閃が自身の危険を顧みずに救出します。事件後、里樹は出家し、馬閃には帝から褒賞の話が持ち上がりました。

ここで筆者が注目したいのは、馬閃が引き受けたのが「安全な場所から励ます役」ではないという点です。危険の中へ自ら飛び込み、里樹を助ける側に立つ。言葉より先に身体が動く、馬閃らしさがよく出ています。

Web版では「手ぬぐい」のすれ違いが印象的

なお、Web版の救出は書籍の塔の場面とは別の出来事として描かれます。Web版では、離宮へ向かう旅で馬車が襲われ、馬閃が里樹を守る展開になっています。

Web版の該当エピソードでは、危険を退けた馬閃に、里樹が手ぬぐいを差し出します。馬閃はその意図を取り違えるのですが、里樹が拭おうとしたのは、彼の頬についた血でした。

戦いの間は冷静だったのに、傷を気遣われた途端に戸惑う。守った相手から自分も大事にされる――この小さな行き違いが、怪力だけでは語れない馬閃の人間味を見せてくれます。

里樹もまた、救われた側にとどまってはいません。怯えながらも傷ついた馬閃へ手を伸ばす。その応えがあるからこそ、二人の関係を一方的な庇護だけでは見られなくなるのです。


里樹が西都行きを断った本当の理由|小説10巻の再会

恋の行方を考えるうえで外せないのが、小説10巻の再会です。

出家後の里樹は、紅梅館で家鴨(あひる)の世話をして暮らしています。そこへ、壬氏の命で家鴨の飼育を学びに来た馬閃が、偶然にも再会するのです。

馬閃は里樹に西都への同行を誘いますが、里樹はその場では応じませんでした。

  • 出家後の里樹は、紅梅館で家鴨の世話をして暮らす
  • 飼育を学びに来た馬閃と再会する
  • 馬閃は西都への同行を誘うが、里樹はその場では断る
  • 里樹は「自信が持てるようになった後」の再訪を望み、馬閃も成長を目指す

断った理由は、馬閃を嫌いになったからではありません。今度は、自分で考えて動けるようになりたいからです。

助けてくれた人が迎えに来たら、そのままついていきたくもなるはず。けれど里樹は「今のままでは頼りきりになってしまう」と考えます。ここで立ち止まれること自体が、大きな変化だと筆者は受け止めています。

後宮で侍女に世話をされていた少女が、紅梅館では家鴨を育てている。世話をされる側から、世話をする側へ移っているのです。

守ってくれる馬閃の存在は大切。でも、それだけで里樹の人生が完成するわけではありません。彼のそばへ行く前に、自分の足で立つ時間を選んだところに、この恋の芯があります。

※画像はAIによるイメージ

結婚への壁は身分差だけ?帝の許可と祖父が保留した理由

では、二人の結婚を阻むものは何でしょうか。身分差が思い浮かびますが、話はそれだけではありません。

里樹は元上級妃です。ただし実際には先帝の妃であり、現帝との間に夫婦としての実態は一切ありません。そのため、離縁や再嫁へのハードルは比較的低いと考えられます。

一方で、元妃である以上、里樹の将来には帝の意向が関わります。帝は里樹を娘のように思い、その幸せを望んでいるとされます。

さらに大きいのが、里樹の祖父の存在です。

関わる人物動き・考え
帝里樹を娘のように思い、幸せを望む
麻美(馬閃の姉)馬の一族から縁談を持ち込む
里樹の祖父孫を再び不幸な結婚に巻き込みたくない

Web版では、馬閃の姉・麻美(マーメイ)が祖父へ縁談を持ちかけます。弟の好意を見抜き、家同士の話へ運んでいく姉。馬閃本人より、ずっと交渉が速いのが面白いところです。

しかし祖父は、その場では了承しません。Web版の描写では、縁を結んでも馬の一族側の利点が乏しいこと、一族の周囲に穏やかでない動きがあることなどを気にしている、と読めます。

「よい家から話が来たから、すぐ孫を嫁がせる」とはしない。家の利益より、里樹が再び傷つかないことを気にしている――そう読めるのが、むしろ救いだと筆者は感じます。

これまで大人の都合で行き先を決められてきた少女だからこそ、今度こそ慎重に、という姿勢なのでしょう。


周囲が応援しても進まない|馬閃が求婚をためらう理由

障害が少なくなっても、馬閃はすぐには求婚できません。ここが、この恋の最大のもどかしさです。

Web版では、馬良の妻であり馬閃の義姉にあたる雀(チュエ)が、馬閃自身の自信のなさを指摘します。立場を整えることと、勇気が出ることは別なのだ、と。

周りから見れば、馬閃はもう十分に活躍しています。けれど本人は、その働きを「求婚できるだけの自信」に結びつけられていない。

外から見れば、馬閃は護衛として活躍し、家族が縁談に動き、里樹と会う機会もある。足りないのは、その活躍を自分の手柄として受け止めること、好意を自分の言葉で伝える勇気、そして会えた時間にもう一歩踏み込むこと――つまり、すべて「内側」の問題なのです。

里樹は「自信を持てるようになりたい」と願い、馬閃も「自信がなければ踏み出せない」。二人は違う立場にいながら、よく似たところで止まっています。

救出の場面なら、目の前の危険にすぐ動ける。けれど求婚となると「自分は相手にふさわしいだろうか」と足が止まる。強い馬閃が、恋では自分を低く見てしまう。この落差こそが、読者の心をつかんで離さないのだと思います。


馬閃と里樹の恋は漫画でどこまで読める?2種類の刊行状況

「漫画で二人の恋を追いたい」という方は、媒体の違いに注意してください。

『薬屋のひとりごと』には漫画が2種類あり、2026年10月3日時点の単行本は、どちらも小説の恋愛展開に追いついていません。

媒体最新の単行本物語の進み具合
ヒーロー文庫の小説16巻救出後の関係や縁談・交流が続く
ねこクラゲ版(スクウェア・エニックス)17巻原作小説4巻の砦編クライマックス
倉田三ノ路版(小学館)22巻白い仙女の見世物と、皇弟としての壬氏からの文

恋の転機である5・6巻は、あくまでヒーロー文庫の「小説」の巻数です。漫画の同じ巻数には対応しないので、里樹の救出を目当てに選ぶときは媒体を必ず確かめてください。

小説で二人を追うなら、次の巻が目安になります。

  • 5巻:西都の宴での救出と、互いを意識するきっかけ
  • 6巻:塔での救出、その後の出家と褒賞
  • 10巻:紅梅館での再会と、里樹が選ぶ成長の時間
  • 14巻前後:里樹の実家の事情と、家族が進める縁談
  • 16巻:成長した里樹と、なお不器用な二人の交流

ただし、恋愛場面だけを飛ばし読みするより、初めて小説を読むなら5巻から順に追うほうが自然です。里樹を取り巻く事件も、馬閃の仕事も、恋の場面と切り離しては進んでいないからです。


考察|馬閃と里樹は結婚する可能性が高いと考える理由

ここからは筆者の私見です。結論から言えば、二人は多くの困難を乗り越えて結ばれる可能性が非常に高いと考えています。

理由は大きく三つあります。

ひとつ目は、相思相愛がすでに描かれていること。里樹は馬閃の存在に安らぎを見出し、馬閃は里樹を守りたいという意志をはっきり持っています。精神的な結びつきは、すでに十分すぎるほど強いと見てよいでしょう。

二つ目は、障害が「決定的な壁」ではなくなってきていること。里樹は後宮を離れ、先帝の妃という特殊な立場ゆえに再嫁の余地もあります。家族も縁談に動いている。残っているのは制度的な壁というより、本人たちの気持ちの整理です。

三つ目は、作品全体に流れる「救済」というテーマです。ここは抽象論で終わらせたくないので、里樹の過去に即して考えます。

里樹は幼くして先帝の妃という立場に置かれ、本来なら守られるべき年齢で、大人たちの事情に翻弄されてきました。後宮では侍女に軽んじられ、心を許せる相手も乏しかった。そんな少女が、自分の意志で立ち、信じられる相手と結ばれる――この着地は、作品が繰り返し描いてきた「不遇な者が正しく報われる」流れと真っ直ぐ響き合います。だからこそ、筆者はこの恋を「救済の総仕上げ」の一つとして読んでいます。

個人的に見逃せないのは、壬氏が馬閃に家鴨の飼育を命じた場所が、偶然にも里樹の蟄居先だったという展開です。これは、壬氏が二人の関係をある程度察し、ひそかに後押ししている可能性を感じさせます。

一方で、筆者が「すぐには結ばれないだろう」と考える根拠もあります。それは、作者・日向夏の作劇の癖です。

振り返ってみてください。看板カップルである壬氏と猫猫(マオマオ)の関係も、作者は一足飛びには進めてきませんでした。壬氏がどれほど想いを示しても、猫猫の側の事情や理屈、そして二人の立場を一つひとつ片づけながら、長い時間をかけて距離を縮めてきた。「気持ちがあるのに、すぐには結ばれない」をじっくり描くのが、この作者の持ち味なのです。

その筆致を踏まえると、馬閃と里樹についても、勢いで救出し、勢いで結婚――という安易な形にはしないはず。里樹が自分の足で立ち、馬閃が自分の言葉を持つ。その成長がそろったときに、はじめて二人は踏み出すのではないでしょうか。

だからこそ、次に楽しみにしたいのは「大事件での救出」ではなく、「本人たちが望んで一歩を選ぶ瞬間」です。派手な告白より先に、今日も元気かと聞ける相手がいる。その小さな積み重ねの先にこそ、答えがあると筆者は見ています。


まとめ|馬閃の結婚と里樹妃との恋の行方

最後に全体を整理しましょう。

馬閃は壬氏の護衛を務める武官で、高順の次男、壬氏の乳兄弟です。里樹妃とは、小説5・6巻の救出を機に互いを意識し始めました。

小説10巻では紅梅館で再会するものの、里樹は「自信を持ってから」と西都行きを断り、二人はそれぞれの成長を選びます。

小説14巻前後では、姉・麻美が縁談を進める一方、祖父は保留し、馬閃自身も自信のなさから求婚に踏み切れません。16巻の時点でも、二人はまだ結婚していません。

身分差という外の壁より、二人それぞれの「自信」という内の壁のほうが大きい。それでも、好意・縁談・救済というテーマを考え合わせれば、結ばれる可能性は高いと言えるでしょう。

二人の恋がどんな形で実を結ぶのか。これからも静かに見守っていきたいですね。


よくある質問

馬閃と里樹は結婚しましたか?

ヒーロー文庫の小説16巻の時点では、まだ結婚していません。互いに想い合い、家族が縁談を進めてはいますが、正式な婚約・結婚には至っていない段階です。

なぜ両思いなのに結婚が進まないのですか?

身分差そのものより、二人それぞれの「自信」という内面の壁が大きいためです。里樹は頼りきりにならず自分の足で立ちたいと願い、馬閃は活躍していながら求婚する勇気を持てずにいます。

馬閃と里樹はどの巻で接近しますか?

ヒーロー文庫の小説5巻で西都の宴での救出、6巻で塔からの救出が描かれ、関係が動き出します。10巻の紅梅館での再会も大きな転機です。漫画とは巻数が対応しないため、媒体の確認をおすすめします。

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